「ここは上海」と思うライフハック術
お元気ですか。たびきゃりです。 今、通勤電車で隣の席のおやっさんが嗜むカップ酒と揚げイカの香りに包まれているところです。
私はパーソナルスペースというやつが異常に広く、満員電車とか人混みがきらいです。なので、すぐそばに他人の日常を感じる今の状況は非常に苛立ってしまうはずなのですが、先日上海に2泊3日の旅行に行ったおかげで、気にならなくなりました。
みなさん、「私は上海にいるんだ」と思う意志の力をちょっと試してみてください。
「自分のことは自分で」
美しい夜景の外灘エリア。急ごしらえのレプリカには真似できない、石造りの年季と重厚さが感じられたぜ。
ただの観光、しかも初めての上海でしたが、街行く人々の行動を見ていると、日本との明らかな違いが見えてきました。列挙してみます。
- 交通ルールはほぼない
- 電車の乗り降り「われ先に」
- 道はゴミ箱
- 電話してはいけない場所などない
- お客様は神様ではなく邪魔者
分かりますか?左下、バナナの皮です。古典的を通り越してもはや伝説的なトラップ技法です。うれしくて何枚も写真を撮りました。
別に非難したり、揶揄したりするつもりはないのですが…ローカルコンビニで物を買おうとして、レジでラーメンすすってるおばちゃんに「チッ、買うのかよ、メンドクセーな」という顔をされたのは本当です(最近少ないみたいです)。
でも、それが気持ちいいんです。
私が隠れドMだからではありません。
他人を大事にすると自分が粗末になる
周りがこのスタンスでいてくれると、こちらも日本で無意識にやっていた疲れる気遣いが体から抜け落ちていき、心身が軽くなるのです。例えば以下のことです。
- 信号無視は悪いこと
- ちゃんと並ばないのは悪いこと
- 車内はお静かに
- ぶつかったら「すみません」
- お客様には笑顔で「こんにちは!」
実際前半はやってた方がいい気はしますけど、後半については「やりすぎ」と批判する声も出てきました。でも、やらなかったらやらなかったで世間の目が痛く、自分でもどこか罪悪感を感じてしまうんですよね。
張り付いた笑顔の例?
どんなに疲れてても、どんなに悲しくても、他人に迷惑をかけないように肩を縮めて歩かないといけない。そうでなければ、どこかで誰かに見られていて「疲れを理由に横暴を」と思われてしまう。そのどこかの誰かとは、心の中の自分かも知れません。
それはこの小さな島国で、みんなが平和に暮らすために発達してきた素敵な文化なのかも知れませんが、それによって心の疲れが加速する時があるのも事実。
さぁ、ここは上海
横入り合戦に参加したり、店員さんに邪険に扱われているうちに、こちらも自然と自分本位になってきます。
自分の都合に素直になるんです。
そしてそれはごく真っ当なことなので、時にぶつかり時に邪魔されたとしても、「お互いやりたいことが違うんだもの、当然よね」とスルーして、イラつかない。誰も「マナー違反」とは言わないのです(文句は時々言ってるのかもしれない)。そうだよ!悪くないよ!俺は俺の人生を生きたいだけなんだ!
…とまで思っているかは分かりませんが、この発想は、私のように「過度に他人に敏感」「気にしい」な人にこそ効果があるはずです。
さぁ、「他人の小さなマナー違反でイライラして、自分カッコ悪い…」と思っているあなた!
あなたも今から心だけ上海を回遊してみませんか。
やりたい放題ってわけじゃないよ
ここまで書いてみて、ゴミだの順番無視だの「中国人はマナーが悪い」というマイナスイメージを助長しているようで気が引けてきたので、素敵なとこもいくつか挙げておきます。
- 老人には席をゆずる
- 清掃員がそこここで掃除してくれてる
- メンドクセー顔でも必ず道を教えてくれる
特に最後なんか、私はニヤリとしてしまうんですがどうでしょうか。
おまけ・なぜ上海なのか?
観光だけなら、他の東南アジア諸国も観光してきました。
など。この中に、日本ほどのマナー・清潔感で、笑顔でキリキリ働いてる国はなかったです。ヨーロッパは経験ありませんが、やはり日本ほど潔癖で慇懃な国はないと聞きます。だから、特に中国上海だけをあげつらって晒すべきでは本来ないんですよね。
でも、今まで行ったどの国よりインパクトがあったんです。
休日の魯迅公園で社交ダンスや太極拳を楽しむ上海人の開放性を見たせいでしょうか。それとも、東京に引けを取らない大都市のパワーに押されたのでしょうか。 もしくは、公園で投げ銭ライブをやっていたら警察官が来て怒られたが、負けじと喧嘩腰で応戦したら観客も加勢してきて大騒ぎになり、結局警察官が負けて帰って行った(しかも歩きタバコで)というような、鮮烈なバイタリティを見たせいでしょうか…。
過積載車両の数々。私は過積載フェチなので、見かけたはしから一生懸命撮影してきたのですが、多くを取り逃がしました…無念。
たったの2泊3日でも、おもしろすぎた上海。刻一刻と変化するこの都会に、早くもう一度訪れたいです。それまで、心だけ、上海。